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我が町福岡の中心部にその城はあった。

初代藩主黒田長政が、慶長6年（1601）から7年の月日をかけて築いたという【福岡城】。
現在は姿こそ残ってないものの、その城跡には、時に桜が、時に紅葉が、その他の季節も様々な木々や花々、そして動物達が住まい、生きている。

さて、そんな福岡城跡だが、夜になると別の、新たな一面を見せるというから面白い。早速足を運んでみた。

入場してすぐに出迎えてくれたのは光の卵形体。あちらこちらに点在している。

ぽんっとひと押ししてみると色が変わった。もう一度触ってみると・・・やはり色が変わる。
遠くで誰かが押した様子を見ていると、その光が隣へ、隣へと連鎖していくのがわかった。呼応している。

これらの作品を制作しているアート集団、【チームラボ】のサイトを見てみると、

＞奥から光が押し寄せてくれば、向こうに人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう

とあった。なるほど、ここに居合わせた人々の動きによって色味も、音もどんどん変わるんだな。私の目に映るこの光景は、もう二度と見ることが出来ないといっても過言ではないのだ。一夜、いや一瞬限りの儚い作品だ。

ここで、【チームラボ】の説明をしよう。
2001年から活動を開始し、集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニアなど、様々な分野のスペシャリストから構成されている。日本のみに留まらず、世界各地で常設展およびアート展を開催している。

今回は「Digitized City」というアートプロジェクトの一環で、デジタルテクノロジーの力で、城跡内が丸ごとアートになった。

さて、歩みを進めると、立派な石垣が見えてきた。

石垣の中で、何かがウゴウゴと動いている。動物のようだ。よーく見てみると花から成る動物達で、色とりどり。近づいてみた。

ひまわりだ。けれども動物が見えなくなってしまった。そこに住まう彼らには、彼らの生活がある。近づきすぎない方が良いのかな。

ずっとそこに立っていると場面がどんどん変わっていって、色の綺麗な絵本の中を飛び回っているようだった。

石垣の上には登ることもできて、

作品の変化をじっくり観察することが出来る。暗いので、段差にはご注意を。

更に歩みを進めると、【お絵かき黒田官兵衛】が。ここでは、自分でお絵かきをしたオリジナルの歴史上の人物達が、目の前で歩き回ったり、踊ったりするのだ。

なかなかできない体験に、子供のみならず大人まで真剣に書き込んでしまう。

出来上がった人物はこちら。

目立つようにカラフルにしてみたけど、若干顔が緩くなってしまった。どのような動きをするのだろうか・・・

紛うことなき自分の生んだ人物が動き、隣の人物と話している。何やら一生懸命話しかけているようだ。

踊る自分の人物を眺めながら、自分が描いたものが動くことってあるんだ、と思った。
子供も大人も夢中になって自分の描いた人物を探して、話しかけて、とても楽しそう。

今日は不思議なこと尽くし。映像の中に飛び込んでみたり、はたまた自分の描いた人物を飛び込ませてみたり。「Digitized City」、町丸ごとアートに、とは書いてあったけれど、自分もアートの一部だったとは。

そんな、夢のように美しく幻想的な世界は、まだまだ続くようだ。
詳細は下記にてご確認ください。

チームラボ 福岡城跡 光の祭 2019-2020